キャンバスがすい臓がんを対象としたCBP501 のPh2試験で好成績をあげたことは既に昨秋のESMOで発表された通りでしたが、FDAはPh3へのステップアップを認めずPh2bの実施を要求しました。FDAによると3剤併用のなかで各剤の有効性を検証せよとのことでしたが、結局、FDAに認められたPh2bは3剤併用と医師選択治療群の2群比較でした。3剤併用の効果は認めるものの、各群9例だったので、もう少し症例を増やして結果を見たいというのが本音でしょうか???キャンバスはFDAの指示に従ってPh2bを行う準備をしつつも、欧州でPh3が出来る可能性を模索し、2027年の上市を目指します。欧州当局(EMA)への治験申請はあと2-3週間以内に提出し、その後、両者のやり取りがあって、年央には治験へのGoサイン(治験申請への承認)を得たい模様です。すると年内には最初の患者組み入れまで行けるかもしれません。レポートはこちら
4575 CanBas ESMOで公表されたPh2データの評価
ESMOで公表されたCBP501のPh2に関するデータをどのように評価するか?レポートにまとめてみました。
4575 キャンバス 新しいベーシックレポートを発行しました
キャンバスの歴史や全体像がわかるベーシックレポートを改訂しました。また、CBP501のパイプライン価値について、最新の情報をもとに試算しました。税前で約500億円の価値と試算されました。税率を40%と仮定すると、税引きでも300億円価値、ただしPh3を遂行するのに追加資金が必要です。
4574 キャンバス 臨床第3相試験入りの可能性高まる
9月20日に明らかになった臨床第2相試験の途中結果から、CBP501とオプジーボ、シスプラチンの3剤併用群のうち1つの群で、主要評価項目達成例が3例にななっただけでなく、部分奏効例も出現、さらに全生存期間中央値(m-OS)が過去の試験例と比較して大幅に改善されていることも判明。2剤併用群の一つでも、2例の主要評価項目達成例が出現しているが、m-OSは過去の例と違いはあまりない。従って、わざわざこの2剤併用群の追加試験(ステージ2)を行うことは倫理的に疑問がある。Reportはこちら。
通常、すい臓がんでの2次治療以降における第3相試験の主要評価項目はm-OSとなると考えられるので、m-OSが大幅に改善された3剤併用群と医師選択治療群の2群比較で第3相試験がデザインされると考えるのが自然だと思われる。