4588 オンコリスバイオファーマ OBP-601 M&Aの場合600百万ドルの可能性も

OBP-601は 逆転写阻害剤なので、レトロトランスポゾンの一種である遺伝子の異常伸長リピートの蓄積を抑制する。ところで、C9-ORF72変異型のALSは遺伝子の異常伸長リピート蓄積が、RNA前駆体のバリアントを生成し、神経炎症につながることが分かっている。また、PSPやアルツハイマー病も、タウのアイソフォームが、異常なリン酸化した状態となり、アミロイドβの毒性を発現することで発症すると言われている。そのアイソフォームが生成される原因は、タウ遺伝子の選択的サブスプライシングであるが、一般に、サブスプライシングは遺伝子の異常伸長リピートによって惹起されると考えられている。つまり、OBP-601によって、遺伝子の異常伸長リピート(LINE-1)が抑制されれば、C9-ORF72型のALSやアルツハイマー病、あるいはPSPなども発症が抑制されると考えられる。OBP-601を開発するトランスポゾン社が大手製薬会社にM&Aされる可能性は十分にあり、その場合、オンコリスバイオファーマ社にも一定の資金がもたらされる可能性がある。このレポートでは、その場合の金額について考察している。

 

 

4588 オンコリスバイオファーマ 良好なトップラインデータを公表

食道がんを対象としたOBP-301の放射線併用療法に関するピボタル試験トップラインデータが公表されました。きわめて臨床的に意義のある結果と評価できると考えられます。次の焦点は、免疫チェックポイント阻害剤を保有する海外大手製薬会社との共同研究開発計画(胃がん・胃食道部接合がんの2ndLine)の確定と良好なトップラインデータが判明した食道がん放射線併用療法の国内販社との契約です。いずれもそう遠くない将来に浮上するものと期待しております。

4586 メドレックス リドカインテープ剤 年内再申請へ

メドレックスの現状をレポートにまとめました。残念ながら、リドカインテープ剤は9月に承認となりませんでしたが、年内にデータを再解析して再申請の予定です。他のパイプラインも、選択と集中の下、水面下で進行中です。次の注目ポイントは、チザニジンテープ剤のPh2デザイン公表かと思います。

4588 オンコリスバイオファーマ 商用生産工程確立は順調に進展

オンコリスバイオファーマの承認申請のための治験の結果は今秋発表予定。それよりも、細胞等製品の場合、商用製造工程確立がネックとなる場合がある。デリタクトの承認が2年程度遅れたり、サンバイオの製品も収率に問題があって承認が遅れている。オンコリスでは、6月に製造委託先のヘノジェン社に査察に行った模様で、その結果を取材した。また、この査察を受けて、製造工程の確立に自信を深めたオンコリスは、国内での流通体制整備に着手し、7月7日、そのための資金調達を発表した。オンコリスは、製薬の種を導出する企業から、最終製品の承認まで取得する製薬企業型事業モデルも兼ね備えたハイブリッド型事業モデルに転換しつつある。4575キャンバスも同様であるが、製薬企業型モデル(創薬パイプライン型)の方が、導出型よりも、リスクは大きいが、導出先のメガファーマの戦略により左右されることなく自社で開発をコントロールすることが出来て、またリターンも大きい。レポートはこちら

4575 キャンバス 創薬パイプライン型への転換

キャンバスがPh3に向けた資金調達を公表。これが意味するものは?

①事実上 POC確立

②創薬パイプライン型企業へのアップグレード

③Ph3の大まかなデザインと費用

すると、従来考えていたよりもPh3の費用は少なく、しかも承認まで自力開発の創薬パイプライン型企業となるため、パイプライン価値は500億円程度から700億円程度まで上方修正します。

レポートはこちら